【流体宇宙アクション】Fluid Lander – フリュードランダー レビュー

Fluid Lander - フリュードランダー_ステージ5

Fluid Lander - フリュードランダー_タイトル
Fluid Lander – フリュードランダー[toropippi]

ロケットで宇宙を冒険するアクションゲームです。流体計算を最大限に利用した視覚表現が素晴らしい作品。その一方で複雑な流体計算のため2Dゲームでありながら最新GPUを積んだゲーマーパソコンも必要。私はGTX1050Tiで、特にオプション等をいじらずに17~20FPSでした。

地球へ隕石が急接近、パソコンヲタな暮井慧は大統領の依頼により、隕石が地球に衝突するか詳細な経路を計算するため、ロケットに乗り一人宇宙に旅立ちます。通信機はあるため、各ステージ開始前には博士と慧によるやり取りを入れつつ、1画面ステージの中、ロケット(自機)をゴールまで運べばクリア。ただし、ほとんどのステージでゴールは隠れており、全てのレアメタルを取得することでゴールが開きます。
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エーテル宇宙や古代遺跡など、宇宙に仮想科学とSFロマンを取り入れた世界観です。流体はエーテルの流れという設定です。本作のエーテルは、アインシュタインの相対性理論が流行るまで物理界の常識に近いアレンジをしており、20世紀初頭の物理の常識を視覚化するとこんな風になるのかなと想像しながらプレイしていました。

自機はロケット下方の燃料噴出による加速度を使って前身します。燃料噴出による加速度は極端に変化し、最初は少量の動きしかしないロケットも数倍の速度で前進するように。ただし、速度による慣性が効きすぎており、左右への方向転換や逆走による速度減少は速度を上げ過ぎるとほとんど効かなくなります。広い場所では大胆に加速して、狭い場所ではチマチマした細かな操作が肝になります。
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▲ロケットの噴出そのものに美しさがあります。

また、自機を壁にぶつけるとダメージを受けます。低スピードの場合は10回ぶつかっても半分もHPが減らないのに対して、5,6回の接触でお陀仏。

つまり操作不自由系で、速度のコントロールが非常に重要なゲームということです。

注目すべきは、その美しい流体挙動を視覚化していること。ロケットの噴出に留まらず、宇宙風が引き起こす流体、ボス戦の独特な流体まで。そして流体同士がぶつかり合った時の結合や区間分離による流体の解放など、複雑な計算式を要する流体の挙動が並々と描かれます。それはもう、ジェネラティブアート(コンピュータによる計算を使って描くアート)と語ってよいレベルの美しさがあります。
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また、その流体挙動は単なる画面の美しさを追求するためだけに用意しているわけではありません。流体の物理挙動はロケットにも影響し、真っ向に向かえば速度低下、横から当てられると強制的な方向転換が起きます。これらを予測して予め速度や方向を調整するような場面もあります。

いやらしいステージだと、ロケットの微調整が難しいある箇所を句点に正反対の方向に風が吹くステージもあります。ボス戦などでは、敵も攻撃してくるため、低速だと逃げ切ることができません。(かと言って高速で物体に突撃すると大ダメージを受けるジレンマ)

ギミックなどは、この流体移動を前提として作られています。例えば画面中心に移動するような風が全体的に流れており、さらに中心は物体を用意。プレイヤーは中心に移動しないよう、常に反対の加速度を意識せざるを得ません。だけど、速度を出し過ぎると、急に進行方向が危険になることも。
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▲黄色の帯はロケットの火で焼き付きスことで壊れて先に進めます。

Fluid Lander - フリュードランダー_ステージ5
▲円方向に動く多数の十字棒を潜り抜けるステージ。チョビチョビ操作が決め手。

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▲初めてのボス戦。自機の逆噴射を敵の中心部に当てるとダメージ。でも敵も冷機攻撃を仕掛けてきてぶつかるとダメージを受けます。味方・敵とも攻撃方法が流体であることに注目。

難易度はEASY,NORMAL,HARDの3段階ありますが、アクションが苦手な私もEASYで十分にクリアできました。簡単というわけではありませんが、理不尽さも全くありません。

プレイ時間は1時間ほど。全部で19ステージ&ボス数3と短めのゲームですが、その分どのステージにも新鮮さがあり、ボスの倒し方や攻撃方法も全て独特。最後まで楽しめるゲームです。
Fluid Lander - フリュードランダー_メニュー

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