【街の人の心を救うRPG】ココロインサイド レビュー

ココロインサイド_タイトル
ココロインサイド[SYUPRO-DX] (公式サイト / iTunes / Google Play)

小学校の頃まで住んでいた懐かしの街に戻って転校した主人公。懐かしい幼馴染みの女の子は、主人公に「他の人の心を覗くことができる」アプリ、「ココロコネクト」を紹介しました。その頃、街では都市伝説を発端とする噂や殺人事件によって殺伐とした雰囲気もありました。幼馴染みと二人で、街に住む人々の心の不安を取り除くため、「放課後安心クラブ」を結成し、人助けのため街を探索することに。
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▲ヒロインとの再会からはじまるオープニング。

本作は、スマホでは「どうして勇者様はそんなに弱いのですか?」や「奴は四天王の中で最も金持ち」、最近はコンシューマーでも「ディスティニーコネクト」のシナリオや「世界一長い5分間」などでも活躍している、SYUPRO-DXの作品。

アドベンチャーが多かったSYUPRO-DXとしては久々の王道的(つまりドラクエライク)な長編RPGで、奴は四天王の中で最も金持ちと同レベルでRPGらしさがあります。

氏らしく王道的なボーイミーツガール(今回は選択式で女主人公にもできるので女どうしの友情にもなる)ストーリーを基調としたメインシナリオに加え、町中探索で多数の並行的なクエストをフリーシナリオのように自由に進めていく探索要素、スマホに適した超高速な戦闘やダンジョン移動を考慮したRPG要素がミックスしています。

舞台となる街は村や市ではないけど、町だねと言われたらなんとなく伝わるような雰囲気。学校や公園、風呂屋やレコード屋、スーパー、警察、カフェなどがあり、全体的に素朴で田舎的な雰囲気が漂っています。主人公達は学生なので学校を中心としながらも、この町中で困っている人達を探すことになります。
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▲様々な準メインキャラやサブキャラ、モブキャラ達。街のただの一員がクエストの対象になることも。

怪異を追いながら、人の心を救う「放課後安心クラブ」の仲間達

主人公とヒロインではじめた「放課後安心クラブ」は、顧問、同級生を含めて最大5名の大所帯となります。

いつも、SYUPRO-DXは主人公・ヒロインのボーイミーツガール物語を主軸に置き、周りのサブキャラ達はその補助をするようなシナリオ構造をしているのですが、今回は珍しくその割合が抑えられていて、確かにボーイミーツガールが主軸だと分かるけど、それだけではなく、仲間達との友情や町の人達の繋がりなども実感できるようなシナリオ構造・ゲーム構造をしています。ヒロインの存在を強く意識しながらもヒロインの出番が全く無いような章も。

でも、シナリオはまごうことなきSYUPRO-DXの系譜です。

出番がない章もヒロインを放っておくわけではありません。ヒロインが出ていないにも関わらず終盤の主人公とヒロインの関係を盛り上げる要因にもなっています。仲間以上に主人公とヒロインの関係性は章によってダイナミックに変化していきます。

関係性の肝はキャッチコピーにもある「こんなこと、知らなければよかった。」。様々な人の心を読んだり怪異を調査する中で主人公が今まで知らなかった事を知ることにより変化する主人公とヒロインの関係、最終的に全てを知った主人公(プレイヤー)が行う選択、選択の結末。クリアすることで強い絆を見つけることでしょう。

メインシナリオでは仲間達についても、よく描かれています。ヤンキーっぽい見た目だけど熱い男、ちょっと泣き虫だけど元気一杯のその幼馴染みの女の子、そしてヒロインと再会する前から「放課後安心クラブ」の顧問をしていた凄腕エンジニア。共に活動することになる仲間達との出会いから、仲間達と共に街の住人の心を救っていく過程、逆に仲間の悩みを心を覗くことで救っていく過程などを描いています。
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▲転校してから出来た仲間達。
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▲現代らしくチャットでのやり取りも多数。

併せて、表の物語としては、人々の悩みを解決しているうちに、都市伝説や殺人事件の噂が出てきます。大きく関わるのが4つの都市伝説。メインシナリオで初めて関わるのは女子達の消失事件。とある理由で、消えた女の子達を探す過程で主人公達は都市伝説に関わることになります。一部ホラーっぽい演出のあるイベントもあります。
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▲本編の核となる4つの都市伝説。都市伝説は街で単純にモブに話しかけるだけでも情報が転がっています。

本作は人の心に入るアプリがある点でファンタジーです。その意味で、それぞれの事件は怪異か人の犯行かが調査しないと不明です。それぞれの都市伝説も複雑な状況から生まれており、この都市伝説は人か怪異、プレイヤーは主人公達と一緒に怖がりながら探っていきます。ただ、本作の物語の根幹は優しい心の絆の物語です。ホラー要素はその味付けに過ぎません。なのでホラー探索ゲーかと聞かれたらノーと答えておきます。

また、物語中盤以降の、不思議な世界観を体現する上で、この都市伝説は重要な役割を追っています。大きなネタバレになるので、あまり深く突っ込めませんが、ホラーにありがちなのが死者が出ること。ゲーム開始時、すでに大切な人が交通事故等で亡くなっているなどのキャラが複数人おり、死生観に関するやり取りも一つの重要な点であり、本作の魅力の一つです。

ダンジョンと戦闘

人々の心は全てダンジョンで表され、心に入るとそのダンジョンを攻略することになります。ダンジョンの雰囲気もその人の心象をイメージしており、敵シンボルもそのダンジョンに適したような形。心の中には本人の分身のようなキャラが心情を呟いたり、本人が心で強く思っている場面とダンジョンを繋げるようなことも。

ダンジョンはいつでもその階層の全景が分かるマップが見られます。そのため、宝箱の見逃しはないし、間違った通路を通ることもありません(たまに隠し通路を見逃すことはありますが)。敵はいわゆる心に潜む魔物という設定でシンボルエンカウント制。シンボルは動かないので進行上で通せんぼしている敵以外は避けることが可能。
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▲マップ。街もダンジョンも、その全景が予めわかります。

戦闘は自動進行するターンバトル。コマンドが表示されないため、超高速バトル。その割に適度に戦略と反射神経が必要になるシステムを導入しています。

敵と接触すると、画面ではドタバタとしながら、味方・敵の体力とスキルゲージが表示。主人公・敵の攻撃力・防御力から算定し、各ターンで敵の体力減少→味方の体力減少の順に自動的に進みます。どちらかの体力が0になったら終了。
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▲戦闘はシームレス。

味方はプレイヤーがスキルゲージを触れることでスキルを使用可能で敵もボス戦は定期的にスキルを使用します。スキルはゲージ内を棒が動いており、指定場所にきたらプレイヤーが再度タップすることで発動。ただし、指定外にミスした場合、発動時共に1度放つとスキル幅が小さくなり、ターンごとにだんだん元に戻ります。そのため、連続で発動するとどんどん小さくなり目押し判定も難しくなる仕様。

スキルは主にターゲットへの大ダメージ、体力回復、一定時間無敵。後出しができるので、敵が攻撃スキルを使った途端に無敵スキルを使う戦略もあります。ただし、1ターン1スキルの制約があるため、先に攻撃スキル等を使用していたら無条件にダメージを受けることになります。

戦闘そのものは超高速なのにも関わらず、使用時のスキル幅の減少と後出しスキルの2つが戦闘時の面白さを担保しており、個人的には稀に見る画期的な戦闘システムだと感じました。そもそも本来は戦闘の面白さと戦闘速度ってなかなか両立しないんですよね。

メインシナリオと同等の重要イベント多数のクエストシステム、そして世界構造に迫るべき都市伝説

本作はメインシナリオと多数のサブシナリオ(クエスト)で構成しています。なお、発生条件などのヒントはゲーム中で見ることが可能なので迷いはしませんが、サブシナリオは全てクリアしないとエンディングまで辿り着けません。エンディング後にはやり込み系や裏の世界観が分かる新たなクエストも追加。
ココロインサイド_クエスト
▲クエスト画面。

メインシナリオもサブシナリオも基本的には人の悩みを解決していく事が基本です。別にお願いされるわけではなく、なんとなく悩んでいるのでココロインサイドを使って、その人の心の中へダイブ。

ダイブ後はいくつかパターンに分かれますが、ダンジョンボスを倒すと気分が治って解決という単純パターンもあれば、ダンジョン内のその人に話しを聞いてから現実に戻り、現実で問題を解決するパターン。前者は物語的に言えば説得なりなんなりで解決する事に、力押しで対処しているので、個人的にはもやもやがありますが、後者は物語的にも整合性があり面白い。
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▲カフェ店員にモラハラをしている客。彼女の心に入りボスを倒すと怒りがおさまり帰宅。

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▲スマホチャットでのやり取りに疲れを覚えた女学生。

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▲ムフフな妄想に悩む男性の心の中のダンジョン。

後者の例をあげると、例えばスーパー店長。何故か怒って悩んでいる店長の心を覗くと、売上金が紛失してるけど、犯人は身内しかいない。でも身内を疑いたくない葛藤にさいなまれている事が分かります。その後、スーパーにいる各店員を調べると犯人が分かってきて、と次々に人々の感情や繋がりが見えてきます。クエストの1つですが、全体としてまとまりのある良シナリオでした。
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▲各店員さんの心の中もメイドだったりファンタジーだったりで様々。

このように、クエストはサブ扱いですが、ちゃんと物語になっています。そして、クエスト関連にも、都市伝説に纏わるエトセトラを補完する内容や、世界観を補足する内容、中には本編以上に本編らしい物語の中核を担いそうな物語もあり、単なるクエストで終わっていません。

それらをプレイヤーの好きな順にクリアしていくと、だんだんと人々と都市伝説の関係性、全く関係の無い人々どうしの実は本人も気づいていない繋がりが次々と見えてきます。例えば過去の事件のある被害者と加害者が身近に住んでいたり、悩んでいる警部の上司も悩んでおり、別クエストでそれぞれの心を覗くと二人のある事件との関連も分かり……と。

メインシナリオは勿論素晴らしいのですが、このサブシナリオ群をこなす事によって見えてくる世界観の全体像やキャラの関連性もメインシナリオに負けず素晴らしい話です。

課金について

金額は本体無料×広告×課金通貨制。ガチャの他に、ハート(体力)の購入、コレクションアイテムの購入などが可能。課金通貨はゲーム内でも大量にそして(若干面倒臭いけど)無限に入手可能。また、ガチャの★1~3装備はダンジョンでも定期的に入手できるため無課金でもクリアできます。
ココロインサイド_装備1 ココロインサイド_装備2
▲今回はマネキンを装備するとそのキャラの特性を引き継げるという仕様。過去作のキャラからネタ物、現代職業系など多数。ちなみに、わざわざ高レアを狙わなくても、テンセイ(強くてニューゲーム)を使ってもう一度クリアすれば同程度には自キャラが勝手に強くなります。

私は3000円課金してプレイしましたが、おまけの期間限定★5が最後まで使える若干チート気味だったため、実はゲームバランスはゲーム後半までは実感できず。ちゃんとしたゲームバランスでプレイしたいなら無課金で良いかと。逆にサクっとストーリーや雰囲気を楽しみたいのなら課金は考慮してもよいかな。

ただし、3000円購入にはおまけで後日配信予定のおまけシナリオ2編(それぞれが各1章分の分量に相当)と広告除去なども含まれるため、本作を最後まで楽しみたいなら最低限として検討した方がよさそうです。

個人的不満は上記各シナリオや広告除去があくまで課金通貨のおまけ扱いであり、セーブデータに付随してしまうこと。本体含めて考えれば価格は妥当だと思っていますが、シナリオ追加や広告除去のみが欲しい場合はちょっと割高感はあります。そして、新規プレイのたびに広告除去の機能が欲しいだけでも毎回3000円必要になります。

また、この課金を実装するための影響でしょうが、シングルプレイなのにセーブデータのコピーは不可で、そのため機種変用のバックアップにも対応していません。さすがにこれらの機能は1回課金の永続効果が欲しかったかな。

と、スマホガチャはあまり購入しないけど、永続的な追加要素はよく購入する私からの不満でした。

プレイ時間は15時間ほど。隠しボスは倒していませんが、それ以外はクリアした状態。戦闘も含めてサクサク進み、物語の質が良く、サブシナリオも面白い、さらに音楽も良い良質インディーズRPGです。

ダウンロードはこちら
iTunes App Store:ココロインサイド
Google Play:ココロインサイド

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