【コメディRPG】最凶の “男の娘” レビュー

最凶の "男の娘"_タイトル
最凶の “男の娘”[りろりんと] (RPGあつまーる)

対象:ブラウザ(PC,スマホ問わず)
価格:フリーゲーム

女がおらず「男の娘」のみが存在する世界を舞台にしたRPG。この世界では常識でも私達の世界からすると異文化を見るような強烈な男の娘社会を築いており、作中キャラは真面目でも、そのギャップにより私達から見ると可笑しさがこみ上げてくるコメディがゲーム全編に散らばっています。その一方で、ストーリーラインは主人公の村が全滅(男の娘的な意味で)する導入からはじまる真面目な熱血王道系のプロットがよく練られており、シナリオもぐいぐいと惹きつけてきます。

執筆現在、メインストーリーが第1章終了までとソシャゲ風のやり込みプレイが実装されています。が、とにかく続きがプレイしたい面白さに溢れています。確かなシナリオプロット技術を持つ製作者がコメディにも力を入れたような作品。

男の娘達による熱血王道展開のドラマが楽しめるRPG

立派な「男の娘」になるよう教育する親を後目に「漢」を目指して日々生きている主人公ザッグ。彼の村に最凶の男の娘が現れ、村人の女子力を奪ってしまったことからザッグの「最凶の男の娘」を倒す旅がはじまります。
最凶の "男の娘"_ザッグ1
▲村の中で唯一、少年らしい恰好をしている主人公。

この「男の娘」に対する序盤の掴みがすごくて。
最凶の "男の娘"_父親1 最凶の "男の娘"_父親2
▲ザッグの父親。だが男だ。
最凶の "男の娘"_マヤ1 最凶の "男の娘"_マヤ2
▲主人公に想いを寄せている幼なじみ。だが男だ。
最凶の "男の娘"_npc1 最凶の "男の娘"_npc2
▲顔無しモブも強烈なキャラばかり。あと、このスクショからも想像付くと思いますが、チュートリアル系でも笑いながら覚えることができるため、苦になりません。

ビジュアルで興味を引いた後は別の手法で笑いを取りにきます。導入部はいわゆるお使いクエスト中に村が襲われるRPGの定番なのですが、この時の効果音が「男のダミ声での悲鳴」。また、悪役として登場する「最凶の男の娘」の行動は「キスした男の娘の女子力を奪い取る」こと。そのため、可愛い男の娘状態から容赦無く男に戻された時のギャップも笑いとして利用しています。
最凶の "男の娘"_父親3
▲女子力を奪われた父親。
最凶の "男の娘"_女子力吸収後1 最凶の "男の娘"_女子力吸収後2
▲女子力が無くなった村人達

そしてプレイヤーからは笑いの嵐でも作中キャラにとっては、真剣な出来事。話そのものは村人の力を取り戻しに幼なじみと旅立つ構図。その後、出会いあり別れありのドラマチックな冒険がはじまります。第一章はザッグが「最凶の男の娘」を倒すことを決意するオープニングに該当する物語が楽しめます。
最凶の "男の娘"_会話イベント
▲特定場所ではトークイベントが発動。パーティー内キャラの性格が表れるミニ会話が繰り広げられます。

また、メインキャラの個性がしっかり過ぎるほど立っています。男の娘らしい可愛らしさは勿論、能力向上のため「漢」改め「漢の娘」を目指す主人公ザッグは、熱血漢で男らしく何事にも直球でぶつかっていく男らしいキャラ。反対に幼なじみの男の娘は、それこそ大人しい女の子みたいなキャラ。と見せつつ嘘泣きでザッグの気を引いたりとするあざとさも発揮。その他、第一章ではもう1人ツンデレ可愛いキャラがパーティーに入ります。
最凶の "男の娘"_ザッグ2 最凶の "男の娘"_ザッグ3
▲立派な漢の娘になるため、女子力と漢らしさの両方を身に着けようとするザッグ。ちなみに漢から漢の娘いチェンジしようと決意する出来事があるため、外見が幼なじみ共々変化します。
最凶の "男の娘"_マヤ3 最凶の "男の娘"_マヤ4
▲女の子(男の娘)らしい性格をしていて、可愛い幼なじみマヤ。

敵側も「最凶の男の娘」は、その傲慢さと一貫した残虐さで悪役としてのカリスマ性を発揮します。もう美を求めるためには手段を厭わない悪女そのもの。付き従う2人の女の子もドジっ娘属性を持ちながらも「最凶の男の娘」を心配する慈愛を感じられる男の娘(なぜ、彼女が従って行動しているか疑問に思うほど)や無口でチョロイン系男の娘など。
最凶の "男の娘"_最凶1 最凶の "男の娘"_最凶2 最凶の "男の娘"_最凶3
▲最凶の男の娘。可愛い外見と裏腹に、綺麗な男の娘の女子力を奪い、邪魔者は気まぐれで殺害し、奸計を計るのも好き。悪のカリスマを放っています。
最凶の "男の娘"_敵サブ1 最凶の "男の娘"_敵サブ2

キャラに個性が立っていることとコメディのセンスが良いこと、加えてシナリオプロットも熱血王道展開で安定したレベルのため、とても楽しいRPGになっています。ザッグと幼なじみには辛い出来事が次から次へと襲い掛かかり、それに対して2人がどのように心を変化させていくかを描いている第一章です。色モノに見えながらも、ガチなシナリオ。男の娘世界観のせいで、ガチさがコメディに化けているシーンもありますが、決める時は決めます。

男の娘がいる世界観を設定やシステムなどで地盤から表現

本作の世界観は男の娘しかいません。200年以上前は女がいたが、なんらかの理由で絶滅。荒々しい男だけでは暴力的な世界になるので男の娘が推奨され常識となったためです。何故かその影響は物理的にも作用しており、この世界では何故か、「女子力を磨くと戦闘に強くなり」「スキルも女子力により強力になる」ことは常識となっています。「最凶の男の娘」が強いのは、この女子力をとてつもなく所持しているからです。ザッグもそれを知ってから「漢」を目指すのではなく「漢の娘」を目指すことを決意しています。
最凶の "男の娘"_設定1 最凶の "男の娘"_設定2 最凶の "男の娘"_設定3 最凶の "男の娘"_設定4

まだ第一章なので謎提示のみですが、世界観設定は深く掘り込んでいるように感じます。少なくともコメディだけのために用意する量ではありません。シナリオのドラマ的な面白さに加えて、設定的な面白さも続章で楽しめそうな気配が漂っています。それにしても、この世界はどうやって子供が生まれているのだろう。まだ、一切言及がありませんがコウノトリが子供を授けることを信じる世界観と言っても信じれそう。

この男の娘的な設定は戦闘システムにも反映しています。経験値に該当するのは女子力。料理上手なども女子力に該当するのですが「相手を蹴落として勝ち抜く」のも女子力と言うことで戦闘勝利でも女子力が上がります(女社会の黒い面を見てるみたいでうわぁっとなってしまいました)。

魔法に該当する熱血奥義はその人の女子力らしい技(例えば幼なじみは料理関係のスキル)になります。合わせてTPが100たまると「男・解放!☆」と呼ぶ「男の娘」の中に眠る男らしい荒々しさを前面に出した必殺技が使用可能。
最凶の "男の娘"_戦闘1 最凶の "男の娘"_戦闘2 最凶の "男の娘"_戦闘3 最凶の "男の娘"_戦闘4
▲キャラの特色を活かした「男・解放!☆」はカッコ良さもあり。

RPGのシステムは、快適なツクール作品と言ってレベル。目新しい面白さはありませんが、安定しておりシナリオの妨げにもなっていません。ダンジョンはゴールまでの目印付きミニマップがあり、宝の位置も分かりやすいためサクサク。敵の数は適度に少なく、レベルも上がりやすい。雑魚は簡単に倒せるものの、ボス戦になるとシステムを駆使して戦う必要があります。

第一章はこれら各機能の紹介という面が強め。そのためシナリオ的な面白さこそ健在ですが、戦闘的な面白さはあまり無し(目新しいシステムやビジュアルを手探りする面白さはありますが)。実際戦闘が面白いのは後述の「やり込み」と今後に期待の第二章以降でしょう。

クリア後はソシャゲのようなシステムのやり込みモード

第一章クリア後、本編とは全く異なる独立したコンテンツとして「やり込み」が解禁されます。ガチャで男の娘キャラを輩出してパーティーを組み、難易度の異なるダンジョンに挑むソシャゲ的なシステムです。ガチャから排出される男の娘は☆3~5まで。本編中に登場したキャラもいれば、オリジナルキャラもいます。不具合が出たら拠点に詫びコイン、1000回プレイなどの記念にコイン、毎日のログインボーナスなど明らかにソシャゲを意識しています。
最凶の "男の娘"_ガチャ1 最凶の "男の娘"_ガチャ2
▲ガチャシステム投入。

ダンジョンは小じんまりしており、敵シンボルは3,4体、宝が2,3程度、そしてボスを倒すとそのステージをクリア。ダンジョンでのレベル上げとドロップアイテムによる装備強化で強くします。そのうちレベルがMAXになったキャラは進化素材を使って進化(レアリティが増加)、覚醒素材を使って覚醒(最大Lvアップ)で強化。さらなるダンジョンに挑んでいきます。

ストーリーは全く無し(特定ステージのボスが戦闘前にセリフを軽く喋るファンサービス程度でシナリオ的な繋がりは無し)。ひたすら強化していくゲームです。
最凶の "男の娘"_やり込み戦闘1 最凶の "男の娘"_やり込み戦闘2
▲ガチャで排出したキャラを編成したバトル。
最凶の "男の娘"_やり込みダンジョン1 最凶の "男の娘"_やり込みダンジョン2 最凶の "男の娘"_やり込みダンジョン3 最凶の "男の娘"_やり込みダンジョン4
▲クリアするたびにダンジョンが解放され、より難しく報酬も豪華になります。

とりあえず30分ほど遊んでみました。1ステージのテンポが良く、本編で不完全燃焼だった戦闘がしっかりしています。レベルも適度に上がりますし、ダンジョンが難しくなるとキャラや武器を変えて挑む面白さもあります。1回のプレイでコインの入手量が低いのでガチャできる回数に限りがありますが、スタミナもないので好きなだけプレイ。ツクール製ソシャゲとしては卒なく面白くできているかと。ただ、私の場合はシナリオが無いハクスラが苦手なので、これ以上はプレイしないかな(あくまで私のスタンスであり、このやり込みシステムそのものの出来は良いです)。やり込み編は1週間に1度のアップデートを予定しており、ガチャキャラ追加などスマホソシャゲと同じように少しずつ変化していくようです。

第一章のプレイ時間は2時間ほど。一見男の娘を使った一発ネタコメディを狙った作風に見えますが、熱血や出会いと別れなどのドラマ王道的なシナリオを主体とした物語を楽しめる良作です。勿論男の娘に目覚めてしまいそうな可愛さもあります。とりあえず第二章が楽しみ。

なお、コメディ群とあつま~るのコメント機能が相性抜群のため、ゲーム側でボケが発生すれば、その後はコメント欄で突っ込みの嵐。是非、コメント機能を有効にしてプレイして欲しいゲームです。
最凶の "男の娘"_コメント
▲はじめてザッグの父親が登場した時のコメント。

プレイはこちら
RPGあつまーる:最凶の “男の娘”

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