Creaks (クリークス)[Amanita Design] (Steam / Switch / PS4 / iOS(Apple Arcade専用))
家の壁に開いた穴、その先の地下に広がっていたのは、機械仕掛けの構造物と不思議な生き物達が住む、底が見えないほどの地下を持つ異世界でした。家への道を閉ざされた主人公は地下世界を調査することになります。若干不気味さもありますが、芸術的で細部まで鮮明に描かれた2Dグラフィックスの構造物とキャラ達が全面的に描かれており、世界観に浸れる雰囲気も重視しています。Amanita Designの世界観のファンは今作も満足できることでしょう。
本作はMachinariumで有名なAmanita Design製の2.5D横スクロールアクションパズル。アクション難易度低め・パズル難易度高めで、じっくり考えてプレイするタイプのパズル重視です。パズルは良問ばかりで理不尽さはなく、解けた時の爽快感が高め。見た目はシンプルながら実際に解くと難易度があることに気づくパターンが多めです。
パズルは横スクロールのステージで主人公をゴールまで導くタイプ。特徴は、敵キャラをギミックなどで誘導してゴールまでの道筋を作ること。
敵キャラは、犬タイプ、クラゲタイプなど数種。犬タイプは近づくと主人公を追ってきます。ただし、階段などで異なる高さに移動するとその場所でしばらく待機して最終的には元の位置に戻ります。クラゲタイプは上下左右に順番に動きます。他はネタバレになるため、詳細を控えますが、数は少ないので混乱することなく敵の動きは覚えられます。本作は敵の動きが一番重要なパズルゲームと言っても過言ではないので、この、敵の数が少なくて行動パターンが覚えやすいことは大事です。
どのタイプでも一貫していることは、光が当たると当たっている間のみ置物に代わってしまうこと。通常は接触すると一撃でゲームオーバーですが、置物になると上に乗ったり押引で場所を移動させることができます。間違って光から出してしまうと即効でゲームオーバーですが。そのため、敵は光に対して拒絶反応を示し、壁や行き止まりのように扱って挙動します。例えば犬型は光の1マス前までしか追いかけてこないなど。
▲犬は光が当たるとタンスになります。
この敵の扱いが重要になります。例えば敵の後ろにゴールがある場合、その敵をどのようにおびき寄せるか、又はどのように敵に光を当てて置物にしてしまうか……を考えていくことになります。ギミックは、序盤だと扉開閉・ライトの消灯スイッチ、ライトのスライドスイッチなど。敵が動いている間にプレイヤーも移動しながらスイッチを押す場面も多々ありますが、そこまで強烈なアクションはないため、iOSのタッチスクリーンでも問題なく遊べます。
▲光を動かすギミック。中盤あたりの重要ギミック
▲敵に後方に移動させ、後ろのスイッチを押させたいという場合に前から後ろに流れるように光を向けると、敵は後ろに下がってスイッチを踏みます。
▲犬は基本的に主人公が近づかないと動きませんが、クラゲが接触すると、そのまま押し出されます。
パズルと同時に大事なのが、全体的に感じる世界観。最初は正体不明の動くキャラや無機質な構造物など不気味さが目立ちます。下へ下へ移動する時の進んでいる感覚、外壁にでた時に見える構造物全景などで世界観に浸れるような仕掛けは随時施されています。最初は不気味でコズミックホラーな雰囲気が漂っていますが、後半はいつものAmanita Design的なノリも。良い感じで終わるので安心してください。
セリフなどは一切ありませんが、キャラ達のアニメを見ていると、その時キャラが何を思っているのか、主人公に何を伝えようとしているのかなどが身振り手振り歩く向きなどではっきりわかります。おそらく、主人公と地下世界のキャラは言語そのものが違うので、プレイヤーとリンクしているはずです。そして、進めていくことで不思議なキャラ達がだんだんと愉快で可愛く頼もしいキャラにも見えてくるようになります。
世界観に関しては絵画集めのやり込みイベントがあります。探索の合間合間に古風な絵画が置いてあり、調べるといつでも見れるようコレクション化していきます。絵画そのものがねじ巻きの機械仕立てであり、リズムにのって動き、音楽が流れ、時にはミニゲームができる場合もあります。
プレイ時間は8時間ほど。パズルが上手ければ3時間ぐらいでいきそう。論理パズル好きとしても良問ばかりで価値がありますし、雰囲気重視系としても相変わらずのAmanita Design全開のため、見惚れてしまうでしょう。
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