【アクション】海のカケラ レビュー

海のカケラ_ジャンプ禁止1

海のカケラ_タイトル
海のカケラ[潮騒セイレーン](itch.io)(iTunes)(Google Play)

価格:itch.io(PC版) $2.99、Google Play 330円、iTunes 360円、switch 500円

当感想はiOSのプレイで行っています。

円の周囲をジャンプして進行するルール明快なカジュアルアクション

体が6つの色に分かれた主人公が元の姿に戻るため、各ステージを冒険するゲームです。各ステージは円形の足場が並んでおり、足場をジャンプして別の柱に移りステージ最奥を目指します。

円の惑星を廻りながら、隣の惑星にどんどん飛び移っていくカジュアルスマホアクションゲームはミスターニンジャからはじまりました。その後、惑星の間隔が狭く直観力がものを言うゲームが登場しました(本作に近いのはむしろこちらですが、タイトルを覚えていません)。

この惑星ゲームにカメレオンランのような自機の色を切り替えでき、特定の色でないと通れない仕様を導入したゲームが本作「海のカケラ」です。見た目は惑星フォロワーゲームに見えますが、実際は洗練された新しいルールを採用しており、既存ゲームとは別物になっています。また、ステージ毎に異なる様々なギミックを用意し、それを適切に配置するレベルデザインの面で非常に優れており、何度も死にながらもクリアまで先が気になります。

自機は左画面を上へスワイプすると円の周りをぐるりと回ります(ダッシュもあり)。ジャンプや2段ジャンプで隣り合う円に移りながら、ステージ最奥に辿り着くとクリアです。円周を回る方向は決まっており、時計回り・逆時計回りを変更することは基本的にできません。この方向は別の円に移動しても継続します。ただし、回る方向を指定する円に乗った場合は以後(別の円に移動しても)、その新しい方向に変化します。
海のカケラ_ステージ1 海のカケラ_ステージ2

自機は2つの色を持っており、画面右下タップでいつでも色を切り替えることができます。デフォルトは赤・青の2色で他のステージをクリアするたびに色の切り替えカスタマイズができるようになります(本作は赤・青で説明します)。ステージの円・ギミックは全て白か赤・青(プレイヤーがカスタマイズした場合はその色)の3色です。白は自機が赤・青どちらでも通行可ですが、赤の場合、自機が青だと接触するとゲームオーバーです。青の場合に自機が赤でも同様です。
海のカケラ_ステージ3 海のカケラ_ステージ4

自機やギミックのスピードは速め、ジャンプ力は低めで2段ジャンプをしてギリギリ隣の円に移れるくらいであり、システム的には属に言う高速高難易度ゲームの部類です。ただし、難易度が低くなるよう、ある程度甘めにギミックを配置しています。また、ギリギリを狙って飛ばないと失敗するようなギミックなどの無茶ぶりな配置が一切ありません。

実際はプレイすると難しい場面が何度もありますが、1ステージの中に中間ポイントが多数設置されており、同じ箇所を何度も繰り返しプレイしやすくなっています。1回目で駄目でも20回,30回プレイすればいつかコツが分かって先に進めるようになります。プレイヤースキルの上達が実感できるステージ構成になっており、同じステージでも2,3度クリアするたびにミス回数も減っていきます。ちなみに私はアクションゲームが苦手で、特に高難易度マニア系のゲームは投げ出したくなる性分ですが、そんな私が多少は投げ出しそうになりつつも、クリアの達成感を得ています。。

ステージ構成は全6ステージ+ラストステージの計7つ。各ステージは進行方向と関係の無い側面に進むとカケラが落ちており、全て集めるとエンディングが変化します。基本的に難易度は初期から選択できる6ステージ → ラストステージ → カケラが落ちている側面となっており、ゲームを始めた頃、カケラの入手は無理ゲーだと思ってしまいます。しかし、ラストステージまでクリアした後に再プレイをした際は簡単にカケラが入手できたことも。こちらもプレイヤースキルが活きてきます。
海のカケラ_ベースステージ
▲ステージ選択画面。周囲にある各色の大きな円から各ステージに入り、クリアすると対応する自分の体を入手します。入手した体はこの画面で表示され入れ替え可能。例えば青を緑に変えると実際のプレイ時は赤と緑の自機に赤と緑のトラップとなるよう見た目が変化します。

高難易度システムながら低難易度ギミック配置の優れたレベルデザインセンス

さて、本作で最も注目したい点はギミック種類の豊富さとレベルデザインの2点です。全6ステージですが、それぞれで全く赴きの異なる新ギミックが用意されています。まず全般的なギミックを

赤いブレードと青いブレードは自機がその色の場合は普通にすり抜けてくれます。
海のカケラ_トラップ1 海のカケラ_トラップ2
▲1枚目は円周囲を動いているトラップ。こちらも自機がその色の場合はすり抜けてくれます。

赤い円と青い円はそれぞれ自機がその色になっていないと接触不可。ちなみに画像の状態は見た目に反して難易度が高く一度ジャンプしてから自機の色を切り替えて2段ジャンプしてもう1つの色円に着地しないといけません。逆に色無し自機はどちらの色でも接触不可です。
海のカケラ_青赤円

自機が赤だと左へ、青だと右へ移動する円。
海のカケラ_移動円

また、これら基本のギミックに加えて最初に選べる初期ステージ以外のステージ5つはそのステージ独特のギミックを用意しています。例えばこちらのステージはジャンプの使用が不可能です。円から円の移動は全て地続きで移動できるようになっています。そのため、場合によっては円の直径が常に変化して他の円に接触する時としない時がある円。赤円と青円の合間で直径が変化する白円(プレイヤーはこの白円に乗って自機の色を変えて次の円に移ります)。
海のカケラ_ジャンプ禁止1 海のカケラ_ジャンプ禁止2
▲ジャンプができない故のギミックがどっさり。

こちらのステージはプレイヤーが円から移動することができません。そして360度周りからギミックがどんどん近づいてきます。1方向だけ隙間がある巨大円、色付きで全てが埋められた円などが定期的に降ってきます。
海のカケラ_移動禁止1 海のカケラ_移動禁止2

この2ステージはある意味特殊な条件が付加されたステージであり明確な違いが分かりやすいのですが、他のステージでもそのステージ専用のギミックを出すことにより差別化を図っています。

あるステージで登場するギミック。色付きの円は自機が赤か青かで進行方向が逆転します。その逆転は次の円でも継続するため、パズル的な要素も。
海のカケラ_回転操作
▲例えば変な回転でブレイド付きの円に飛び移ると、そのままブレイドに直進するしかなくなるようなことも。
海のカケラ_風
風で大ジャンプができる円。大ジャンプで上手にブレイドの隙間を通り抜けていきます。
海のカケラ_外周
▲サークルを潜って移動します。

こちらはギミックが回転するパターン。ぶつかるとゲームオーバーになるブレードが回転しています。自機の色によって回転方向が逆転します。

円に乗ると小さな円にも自機の分身ができます。これら分身は大きな円の自機と同じように動きます。そして大きな円、小さな円の自機は共に当たり判定があるため、どちらも障害物やギミックにぶつからないように配慮が必要です。
海のカケラ_分身

このように各ステージで全く異なるギミックを用意することにより、別ステージの新鮮さが維持されています。また、これらギミックで、同じ攻略法を求める配置が無いことも特徴。同じギミックを配置したとしても、必ず前のギミックとは異なる解法が必要であり、繰り返しプレイをさせることがありません。先に進むたび、常にドキドキさせてくれます。そのため、同じステージになると似たギミックこそ続きますが、ギミックの配置法にマンネリ化がないため、ステージ内に関しても最初から最後までワクワクが残ります。
海のカケラ_ダブルブレイド
▲2つのブレイドが常に上下している中を潜り抜けるギミックの組み合わせ。

海のカケラ_青赤ブレイド
▲赤ブレイドが左右に、青ブレイドが上下に動く中を避けて移動するギミックの組み合わせ。

このように工夫した組み合わせが随所に見られ、初めて見た際には感心します。ちなみにラストステージは全てのステージから抽出したギミックを連携した配置。ある1ステージ以外使われなかったギミックが、これまた各通常ステージよりは難しい配置で用意されています。ただ、その頃にはある程度操作慣れしている頃のため、理不尽すぎる難易度とは感じませんでした。序盤にこの配置が来たら心折れそうでしたが、そのあたりのレベルデザインは相当練ってあるように感じます。

プレイヤーによってはステージの少なさを覚える方もいるかもしれませんが、初心者・中級者、そして私はまだこの段階には達していませんが上級者では見えてくるものが違います。同じステージでも長く遊べることは一つの特徴かと。

私のクリア時間は1時間30分、全カケラを取得して2時間30ほど。全カケラ取得クリアでタイムアタックモードが解放されました。現在でも私のクリア時間は1ステージ平均で5~10分かかるので1ステージ2分以内が目標とされているタイムアタックはまだ私には厳しいですが。また、ミス回数を抑えてクリアするとさらなる何かの機能が解放されるようです(現段階の私の実力では無理なのでこちらの解放は諦めましたが)。このあたりは本当の高難易度ゲーが好きな方向けの機能でしょう。タイムアタックなどはコツを掴むと楽しそうな気配がします。レベルレザインの良さが、紹介するには地味な部分ですがゲームとしては大切で面白くできる武器なのだなと感じたゲームです。

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