【地形シューティング】PAROPARO~パロディウスのパロディ―ゲーム~ レビュー

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PAROPARO~パロディウスのパロディ―ゲーム~[大江しんいちろう] (作者公式ブログ)

グラディウスに関してはR-Typeと合わせてフォロワー的なインディーズ・フリーゲームが多数配信されていることに対して、パロディウスに関してはほとんどフォロワー的なゲームがありません。そんな状況の中から出てきた1作がこちら。タイトルの通りパロディウスをリスペクトした横スクロール地形シューティングです。他にもR-Typeや沙羅曼蛇、特にグラディウスの影響を受けています。

オトメディウスの新作が止まってから久しいパロディウスリスペクトに加えて、「Super Hydorah」以降、インディーズでも出ていないグラディウスリスペクトゲー探しをしている方にも遊んで欲しいゲームです。

なぜなら、本家パロディウスやオトメディウスはグラディウスを模したコメディステージを数ステージ作ることが伝統となっていました。PAROPAROはパロディウスのパロディとのことで、そんなアレンジステージやアレンジボスをさらにアレンジしたようなステージ構成になっています。また、一部はパロディウスには無い、グラディウスのステージをアレンジしたステージもあります。

なお、本家とは異なり、本作はフリー音楽素材を用いており、クラシックのアレンジではありません。が、本作の雰囲気に合うような選曲はしています。なお、本家とは異なり、本作はフリー音楽素材を用いており、クラシックのアレンジではありません。が、本作の雰囲気に合うような選曲はしています。
PAROPARO_ステージ3_スタート

作者は「私立ポセイドン学園高等部」などでプロのギャグ漫画家として活躍している大江慎一郎氏。私自身は知らなかったので、調べてみると確かにこの漫画を描く方が作ったゲームだと納得する世界観やグラフィックです。コメディ漫画家らしさのある自機、敵キャラ、風景、敵キャラのアニメーション、ボスキャラの数々は明るくコメディで、それでいながらグラディウスの面影もあるパロディウスのパロディらしい世界観を有しています。

次々変化していく地形、同じような敵配置や似たような展開を極力減らしたゲームデザインにより、クリアまでの飽きがなかなか来ません。なによりパロディウスを参考にしたファンシーさやコメディさが現れるステージ構成により先がどのようになっているのかワクワクしながらプレイすることができます。

全6ステージ。まず、序盤3ステージを紹介。最初のステージは祭り風のいかにもパロディウスさが溢れるステージ。屋台と提灯が飾られた中を進みます。UFOキャッチャーっぽいクレーンが魚を釣り上げてステージ中に捨ててくる攻撃が厄介でした。
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ステージ2は茶碗とおにぎりで構成されたステージ。オリジナルはグラディウスの全画面を覆うような触手系ステージかと。全画面に覆われたおにぎりを破壊しながら先に進みます。幸いにもおにぎりは復活しないので本家よりは楽。ボスはリザードコアのような攻撃挙動をします。ただ、レーザーの速度は遅いので容易。
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ステージ3はグラディウスではお馴染み高速ステージ。学校や家などご近所が舞台。だけど途中からは後ろから怪獣が追っかけてきます。グラディウス高速ステージの爽快感を出しながら上手い事コメディに収めていると思います(原典はパロディウスの高速ステージのようです)。ボスはバス。バスの中の豚さんがコアのバリアの代わりで、彼らを倒して最奥の運転手を倒すとクリア。
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自機はオリジナル、グラディウスのビックバイパーを模した攻撃ができるキャラ、パロディウスっぽい2キャラの4キャラから選んでプレイ。3ライフ制(最大9ライフに変更可能)で敵や弾、地形に当たると1減ります。減った後はパワーアップカプセルを4つ放出してその場から再開、ライフが0になるとゲームオーバー。ただし、コンティニューすると、そのステージのはじめからプレイすることができます。
PAROPARO_キャラ1 PAROPARO_キャラ2 PAROPARO_キャラ3 PAROPARO_キャラ4

棒人間風オリジナルキャラのオプションが少し独特で、自身の分身のようなキャラをパラシュートで下降させます。そして何か地形に降り立ったら真っ直ぐ右に進んで接触した敵にダメージを与える挙動を示します。オプションの最大個数によって、同時に存在できる分身数が決定。
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▲降下して直進。けっこう面白い動きをします。本作の独自色を強くしている要素。
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▲グラディウスお馴染みの攻撃手法を持つ自機。

ステージの難易度はシューティング初心者でもプレイできるぐらい低め。スーファミ版グラディウス3の中盤までぐらいに簡単です。ただし、一部の敵は狭い地形での攻撃やスピード感のある攻撃をしてくるキツイ場面も多少用意されています。ライフ頼みに強引に進むことは可能ですが。難易度変更や2周目は無く、一律共通のステージ。

なお、パロディウスやグラディウスに似せながらも、難易度や面白さに関わるゲームデザインは本作独自の面が強いです。

例えばレーザーは通常攻撃の差は本家ではかなり大きいのですが、本作はそこまで顕著ではありません。そのため、自機が死亡してレーザーを失った場合でも、以外となんとかなることが多かったり、レーザーを使ってもボスを数発で倒すなんて力業は通用しません。
また、自機が爆発した後のパワーアップカプセルが4つであるため、グラディウス系列特有の死亡したら一気に弱体化して高難易度化して先に進めなくなるような不具合が発生しません。4つ+1つ(たぶん死亡前にパワーアップを1つ以上取得していたら)あるため、スピード1にレーザーにするかや、ミサイルとダブルにするかなど柔軟性のあるパワーアップにより、死亡直後でもそれなりの戦力は確保できます。

また、これは制作面での制限だとは思いますが、本家より敵キャラやボスの攻撃が単純です。そのため位置取りやパターンを見極めたらボスは簡単にクリアできます。その変わり、上記で挙げたように時おりくるちょっと速い攻撃が難しさのスパイスになっています。例えばステージ1のクレーンが投げる魚など。この通常速度の攻撃とちょっと速い攻撃の差は本家より大きめです。

ちなみに、独自の面が強いと言っても、本家と多少違うのみでゲームデザインの面ではしっかりしているため、面白味の部分では問題ありません。また、あくまで難易度的な部分のみのため、パロディさの阻害もありません。

グラディウス・パロディウスが好きだった方はプレイして欲しいなと思う本作です。ところで本家コナミさんもそろそろ新作を出してほしいものです。ちなみに作者が最終ステージまでの動画をYOUTUBE,ニコニコで公開しているので、雰囲気だけ味わいたい方はそちらを見るのもよいかと。

ダウンロードはこちら
ギャグ漫画家大江しんいちろうの日々:「パロディウスのパロディーゲーム」データ置き場

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